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『アガルタ通信』

『アガルタ通信』

『全ギ』

1996年10月6日 全ギ ライブ @『ページ・ワン』
出演:池田伊陽:スタインバンガー、タカミネ・エレガット、
   山田 賢:モズライト、グレコ・ドブロギター、
   濱 雅寛:ギブソン335、河合ガット・ギター、

*このライブはホントに楽しい。今(2005年)聞いても『いいなあ』と思う。この日ライブに来てくれた人は全部知り合いばかりで身内の演奏会なのだがそのリラックスした雰囲気もなかなか良い。池田・山田の素晴らしいギタリストと一緒にギター・トリオでライブが出来てホントに幸せだった。会場の『ページ・ワン』にちょうど良い位の20数名のお客で、その中には後で『アガルタ通信』で一緒にやることになる西村伸雄tp、三輪雅樹ds、『BBC』のSマスター、『レジェンズ・スタジオ』のF氏、『札幌ジャズ・パルス』のM会長、ササの彼女ベラちゃん、池田・山田両ギタリストの友人等々来てくれていた。

*このライブは3人がそれぞれ何曲か持ち寄り演奏していくという形でやった。エレクトリック・ギターの演奏にアコースティック・ギターのセクションを入れるというのは濱のアイデアだった。そもそもが自分の好きなギタリストと一緒に演奏したいというのが始まりなのでライブの企画は濱が立てた。その上で2人にも選曲を依頼したのは2人が絶対『いい曲』を持ってくると思ったからだ。

エレクトリック1部
1.春がいっぱい(濱選曲):最初から渋くシャドーズのインストである。本来なら山田が選びそうだが、実はシャドーズのインストはけっこう好きで特にこの曲は大好きだった。アドリブ無しのテーマのみで濱がメロディ弾きで、池田・山田はアルペジオ伴奏のみ。まあ最初のご挨拶みたいなものだ。
2.ハッケンサック(山田選曲):山田賢がいきなりモンク節をカラっとした音で弾き出す。池田はベース・ラインを担当、濱がコード弾き。これはジャズのセッションでもおなじみの曲なのでソロは全員がとる。さすがに山田のソロはエグイ。濱がビバップ的に弾くのが可笑しい。池田のソロはJCコーラス・サウンドでさすがに歌っている。いいなあこの演奏!
3.イズント・シー・ラブリー(池田選曲):池田がテーマ弾き。濱がコード・カッティング、山田がオブリという体制で始まる。池田のテーマ部でのヴォリューム奏法で皆がウケる。アドリブ部分>濱のソロはディストーション・ギターのペンタでチョーキング出しまくりのロック・ソロ、山田はカントリー風味付けのクリーン・トーン、最後に池田のジャズ・ギターのお手本みたいなソロから後テーマで終わり。
4.スモール・ハンズ(山田選曲):ご存じビル・フリゼールの曲。池田・濱2人でコーラスかけまくりのバッキングで山田のテーマ(不思議なテーマなんだこれが)。ソロは3人で1コーラスずつ担当。これは山田が有利だな~。
5.ユー・ノウ・アイ・ラブ・ユー(濱選曲):BBキングの有名バラード。ブルース・フィーリングたっぷりに濱がテーマ弾き。ブルースはギタリストのバイブルだから3人とも大好きだ。池田・山田・濱3人3様で面白い。最後エンディングで濱がリズムを失い失速!残念!
6.赤トンボ(池田選曲):童謡の赤トンボだ。しかし池田のリハモで立派なジャズ・ワルツになった。濱がコーラス・エフェクトでコード伴奏、山田ヴォリューム奏法でオブリ、池田いろいろな事をしてテーマ弾き。アドリブは各自独特の味を出した感じで、この選曲はシビレる!

アコースティック・セット
1.マイ・リトル・スゥエード・シューズ(濱選曲):パーカーの曲を俺が選ぶなんて誰が考えるだろう?しかもアコギだ!ラテン的な感じで演奏する。しかし始まってすぐにガット・ギター2人(池田・濱)のチューニングが狂い出す。とりあえず無視して最後まで演奏。これチューニングがバッチリだったら凄く良い演奏だったのになあ~。惜しい!!
2.サーフ・ライダー(山田選曲):気を取り直して、山田のヴェンチャーズ曲。この曲をアコギでやるというのが信じられないが、なかなか良い感じだ。さすが山田賢・ヴェンチャーズを愛する気持ちが常識をくつがえす!
3.バット・ノット・フォー・ミー(濱選曲):意外な選曲かもしれないが、この曲をボサノバ風にアレンジしてアコギでやるのは正解である。だって凄く良いもの。3人ともソロがジャズ風で、意外な一面を出している。池田のソロがさすがに一番ジャズっぽいが、ぼんやり聞いてるとゴンチチかと思うよホント!

エレクトリック2部
1.ジェフズ・ブギー(濱選曲):ご存じジェフ・ベックのヤードバーズ時代の代表曲である。これはいかにフレーズを挿入するかに演奏者のセンスが、かかっている。一番受けたのは山田の『ウルトラQ』のテーマである。そのほか『スモーク・オン・ザ・ウォーター』『バーン』『ハイダウェイ』『アイ・フィール・ファイン』『フロム・ミー・トゥ・ユー』『移民の歌』等々3人とも一生懸命にやってます。もうゆるして挙げて下さい。
2.スルー・アウト(山田選曲):またまた山田のビル・フリゼール曲です。これは割とわかりやすい曲で、濱・池田もなかなか良いソロ(なぜかサウンドが2人は似ている)を弾く。しかし山田の浮遊感はスゴイ!!!
3.スリー・ビューズ・オブ・ア・シークレット(池田選曲):あのジャコの曲だぜ!こんな曲を選ぶのは反則だと思ったがギター3人でもちゃんとサウンドしている。やっぱり巧い人達がやると違うね(?)これは池田が主導権をとってリードしてくれたおかげで上手くいった。ギター・トリオで普通やらないよね!
4.蘇州夜曲(池田選曲):この頃池田はこの曲が好きだったらしい。ここで山田のヴォリューム奏法が出てこの曲の雰囲気を一気に盛り上げる。これは凄かった。俺は静かにコーラス・サウンドでコード弾き。
5.スペイン(池田選曲):最後はご存じチック・コリアのスペインだ!!ギターが3人寄ったら、やらないはずがない曲だ。最初アコースティック・セットでやろうかとも思ったが、チョーキングがやりたくてエレクトリックにした。濱は完全ロック・ギターでソロをとる。山田クリーン・トーンで独特の世界を出す。池田は池田フレーズの大放出だ。池田フレーズというのは確実にあって、わかる人にはわかると思うが『小池豊三商店』で聞いたフレーズが出てくる出てくる!!
という感じで一応終わった。当然アンコールが来て、Aのブルースに突入(アンコール曲を決めていなかった)これはリラックスしたブルース・セッションだった。

*以上、簡単ですが『全ギ』のライブ報告。この録音を聞いて改めて山田・池田の2人のギタリストの凄さを認識した。ホントにやって良かったライブだった。またこの3人で是非ともライブをやりたいと思った。


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